しかしそんな事などおかまいなしに、ゼロヨンレースは始まっていた。
それぞれの車道に1台ずつ、
2台の車が先頭をそろえるようにして並ぶ。
2台の車の正面少し前には精悍な顔をした男が足を揃えて立ち、
前に出すぎた車にジェスチャーで少し後ろに下がるよう指示を出していた。
両車が揃うと、左右の車のドライバーに、
短期アルバイトのカウントは3秒前から始める旨をやはりジェスチャーで伝える。
どうやらこの男がスターターらしい。

サッと男は両手を大きく広げた。
同時に左右の車はグアン!グアン!と空ふかしをはじめ、
エンジン回転数をMAXへと押し上げて行った。
男の両手が指を3本立てる。3秒前だ。2本、1本、
ザシイッ!男の両腕が渾身の力で振り降ろされた。
ギャギャギャギャッ!!